楽天EXPO2018で出た大きな変更点まとめ

楽天EXPO2018アイキャッチ

毎度で出店者やシステム系サービス会社の肝を冷やす発表があることで悪名高い楽天EXPO。

そんな楽天EXPO2018が7月17日に開催され、肝を冷やすどころか度肝を抜くような大改革(の構想だけ)が発表されました。

具体的な施策や時期はまだ公表されていない話も多いところではありますが、一応憶えている限りまとめます。

出店料金体系の改定

楽天EXPO2018では楽天市場出店料金体系の改定にも触れています。詳しい改定内容はまだ発表されていませんが、実質的な値上げが予想されます。

7月末までに出店企業へ書面にて案内するとしています。

ただ、アフィリエイト報酬料率は最低1%から2%~8%に引き上げることは確定。

(アフィリエイト報酬料率体系の変更について詳しくは下記リンクより)

ワンデリバリー構想

楽天市場上での受注すべての配送を楽天が行うワンデリバリー構想が発表されました。

Amazon FBAに近いといえば近いですが、全注文で出店者による自社発送自体を無くす構想。

楽天ブックスや楽天ブランドアベニューなど楽天自社運営のショップや出店者が楽天に商品を預ける楽天物流だけでなく、通常注文もすべて楽天が発送する形にするそう。

急な配達指定や配送先の変更にも対応させることで注文者の利便性が高まるメリットがあります。

これ、本当にできるんでしょうか……いろいろ問題が山積み過ぎるような。

検品の問題もあるし、基本的にはメーカーから一度ショップに入れてから楽天の倉庫に入れることになるでしょう。

お客様へ直接送らない分、1日のロスが出て出店者からの出荷よりもお客様を待たせることになります。

取寄せはやめて全部在庫として持てということなのか。確かに楽天に預けてしまえば保管にはお金はかかりませんが、そんな大量の在庫をメーカーから先買いするのは中小企業にはつらいのでは。

っていうか在庫預かりを本当に無料でやってくれるのか?

あと、生鮮食品といった品質管理が厳しく、消費までの期間が短いものはどうするのか?

FBAへの対抗は現状の楽天物流を昇華させ、あとはマケプレプライムみたいなイメージでやっていくのがいいと思うのですが……

一応、出荷も楽天一元化することで送料などの物流費はかなり安く抑えると発表しています。

年内にもあらたに2拠点を設け、2020年をめどに物流体勢を整えて実施に向かうとのこと。

ワンペイメント

今後は楽天側が提供する決済方法で一元管理することに。すでに切り替えがはじまっている楽天ペイがその流れですね。

現在のところ、楽天カードと楽天バンク決裁、楽天でショップ専用の口座を用意している銀行振込は、すでに楽天経由での決済方法となります。

が、コンビニ決済などはショップごとに独自に決済代行会社や運送業者と契約して使っていました。

これらも含め基本的にすべて楽天ペイに統合されていく流れです。

ショップによってはいまよりも決済手数料が高くなる場合もあり、負担増。ただし、入金が楽天に一元化される+入金サイクルが今までよりも短縮されるメリットもあります。

そして、確かにお客様側からすれば楽天上のショップの決済方法が統一されればわかりやすくなり、メリット有り……かな?

SNS機能の強化

よりSNS機能を強化し、ユーザーらによってネット上で共有されやすい環境を作りあげていくとのこと。

違反点加点対象となる1枚目画像(サムネイル画像)の文字占有率21%や枠の禁止も、Twitterなどで共有されやすいよう画像の質を高めるための措置。

そういう意味ではSNS強化の流れはすでにはじまっているともいえるでしょう。

ほかにはRmailからRメッセージに移行し、楽天がメルマガの作成・送信を代行してくれるとか。ほんとに?

カゴに入れっぱなしで購入にいたっていないいわゆるカゴ落ちのお客様や閲覧履歴のセグメントで、購入確率の高いお客様に適切なタイミングでメールを配信。

AIで。

みせてもらおうか、楽天のAIの性能とやらを。

楽天GOLDの刷新・リニューアル

楽天GOLDのリニューアルを行うとの発表もありました。

ほかの具体的にどんなことをするのかは不明ですが、アクセス解析などができるようになるとのこと。

別に楽天GOLD上はいまでもGoogleアナリティクスを使えるんですよね。

それよりも商品ページとかカテゴリページとか非GOLDページの解析をGoogleアナリティクスでできる方が、みんな幸せになれるのでは?と思ったり。

時間設定で画像、商品情報更新が可能に

時間指定で画像の差し替えや商品情報の更新が可能になるとのこと。

ライバルのYahoo!ショッピングはかなり前からFTPを使ったりストアクリエイターPro上で反映時間を予約できましたが、楽天もようやく追いつく形です。

お買い物マラソンの終わりに合わせて1時59分に家で仕事していたような現場の民草には地味にうれしい機能ですね。

まとめ:楽天EXPO2018は割と不評?

関係者の声を聞いていると、やはり楽天EXPO2018での発表は割と不評な声が多いような。

構想の発表はいいにしても、詳細や具体的な話がちょっと少ない。それでいていまさらAmazonやYahoo!ショッピングの後追いをしている感がぬぐえません。

お客様にはメリットのある話といえばそうですが、それによってデメリットを被ったショップ側にどこまで利益がもたらされるか不明。不安や不満の声が上がるのは当然ですよね。

料金体系の変更も控えています。いままでの例でいえば楽天の出店料金体系変更は大抵ショップの負担増でしたから、みんな聞くだけでいや~な予感がしています。

もちろん、お客様ファーストは楽天市場全体の将来のことを考えれば大切なこと。

しかしむしろAmazonに対しては遅すぎるくらい。いまさらの方向転換が、逆に楽天の良さをつぶすことにならないよう祈るばかりです。