アイデアは毒。イマドキ通販は「 やったこと 」の数を重視すべき。

2018年7月27日

アイデアに悩まされる男

思いついたけど放置の仕事。やると決まったが進まない企画。やりかけの数々。ネット通販屋のよくある姿です。

しかし、それを全てやる必要はありません。

本当に結果を求めるなら抱え込んだアイデアや成功事例の数ではなく、実現した成果の数にこだわるべきです。

実現されないアイデアはただの毒なのです。

良薬も過ぎればただの毒

アイデアに毒されるとよく次のようになっていきます。

  • まだ前の企画も終わらぬうちに、新しいアイデアや企画をスタッフ間で共有し、やることになる。
  • 実際に作業する現場は乗り気でない。
  • アイデアを出した側は、「 いいアイデアなのになぜ進まない。(進めない?) 」と感じている。

すでにアイデア中毒です。中途半端な施策に手ばかり動いて士気は下がり、どのアイデアもまともに実現されず現場の手足とともに腐っていきます。

もちろん、他店の成功事例を参考にしたり、アイデアが思いつくのは結構なこと。適量であれば薬になるでしょう。

しかしどんな良薬も、過ぎればただの毒なのです。

アイデアは思いつくただけで気持ちがいい。

アイデアは本当に危険な毒で、思いついた本人にとっては甘美なものです。

人間だれしもアイデアを思いついたり他店の成功事例の情報を仕入れるとまず、「 うちのショップでやったらスゴイことになる……?! 」と想像します。

で、もう儲かった気になります。

ダイエットの本を買っただけで痩せた気分になり、サプリメントを買っただけで健康になったつもりになるのと一緒です。

(私が理解できない技術書を買っては賢くなったつもりでいるのも同じ)

本当に結果を出すためには大事なのはアイデアではなく「 実行 」です。

もちろんアイデアは成果につながるかもしれません。しかしなによりも苦しいのはアイデアの実行と実現です。

苦しんで苦しんで結果を見て、成果が出れば良し、出ても出なくてもまた他のアイデアを実行。常に毒を飲み続けているだからそりゃあ苦しい。

効くかどうかもわからない、ただの毒かもしれないサプリメントをひたすら飲まされ続ける現場はたまったものじゃありません。

よくある「 毒 」の例

よくある毒の例が他社の「 うちはこれで売った 」って成功事例。

たとえば、「 俺、CPC広告だけで売上6,000万円作ったよ。しかも広告費比率は1%くらいで利益がスゴイ。 」などどいわれた場合。

まずウソと思いましょう。ウソというか、数字はかなり盛ってあると考えるべきです。

たとえ数字は盛っていない数字だとしても、大げさに「 CPC広告だけで 」と言っているだけのことがほとんど。

「 (本当はほかの施策で売れたけど)この広告比率で6,000万も売った俺超天才 」って自慢でしかありません。

これを真に受けて、きちんと広告運営ができる体制なのか、商材は広告に合うのかなどは深く考えもせずに「 CPC広告売れるらしい 」と手を出して痛い目に遭う人のなんと多いことか。

まずまずの結果が出ても、「 広告比率1%なんて全然無理だった 」と満足はできないし、ホント余計な情報は毒にしかなりません。

解決策:計画したらやり終わるまでよそ見しない

だからといってアイデアは全部無視、もしくはただグチりながら中途半端なことをやっていても仕方がありません。

アイデア過多の解決策としてオススメなのが、「 いまあるアイデアのなかから優先的にやることを決め、そのほかには目もくれない。 」こと。

会議やミーティングなどがあれば、たくさんのアイデアや企画があるなかで「 なにを優先的にやるべきか 」を決める場とします。(ただアイデアを出しっぱなしで終わるのは無意味)

これを徹底できなければ結局は中途半端にあれこれに手をだし、なに一つ成果が得られない現実が待っています。

引き出しの多さは毒の多さに他ならない

実現可能かはともかく、会議やミーティングでアイデアや成功事例の情報を共有しあえば引き出しが増えていいと考えるかもしれません。

が、その引き出し本当にちゃんと閉まっていますか?

ただ漠然と「 こういう成功事例があるからやってみよう 」「 こういうアイデアもいいよね 」と、「 やりもしないことを広げていく 」のは最悪です。

アイデアが引き出しからあふれてあちこちに散らかっていると、足の踏み場を探したり片付けるのに時間も神経もとられてしまいます。

「 考えなきゃいいじゃん 」と思うかもしれませんが、現実問題として絶対にいま進めているものとは違う引き出しを開けてそちらをいじりはじめる人が出てきます。

みな息苦しさに気づいた頃にはもう手遅れ。引き出しからは致死量の毒が漏れています。

汚いキッチンからキレイな料理は生まれません。やらないことならそもそも頭の片隅にもない方が良いのです。

ネットショップで引き出しが豊富なのは特別なことではない

残念なのは、EC業界において引き出しが豊富なことはそう特別なことではない点です。

いまどきECのアイデアや他店の成功事例はあちこちで見ることができます。目の前にあるパソコンで売れているショップを見に行くだけでいいのだから。

また、インターネット上にはEC関連のコンサルト会社やいろいろなメディアも有益な情報を無料で垂れ流してくれています。

ぶっちゃけ新しいことをやるのがメンドクサイのもありますが、やりたいと考えていてもリソース的に現実的ではなかったり、自社のスタイルや商品に合わないと判断しわざわざ口に出さないことがほとんど。

いま進めていることよりもそっちの方が大事か? 」そういったブレーキが働くのです。ごく自然でまともな思考です。

しかし、自称アイデアマンはその辺りはなにも考慮せずとにかくまき散らします。「 なんでコイツらはなにもアイデアは出さないで反対ばかりするんだ? 」と不満に思っています。

が、実際に業務に携わる現場側の人間はその苦しさをよく知っているので、「 前のヤツはどうしたんだよ、これ以上毒を振りまくんじゃねーよアホ 」と一発ぶん殴ってやりことでしょう。

厄介なことに、アイデアの毒に侵されて気持ちよくなっている人は、反対の声も「 少なからずプラスになるのだからやるべき 」と大上段の正論で押し切ってしまう。

さらに厄介なことに、そのアイデアマンはヒマな経営者だったり管理職の人間であることが多い。

まとめ:アイデアは毒。イマドキ通販は「 やったこと 」の数を重視すべき。

もちろん、「 アイデアがあってもやるなよ 」「 成功事例は罠だから避けろよ 」って話ではありません。

精神論・根性論・感情論はやめて、ちゃんと現実をみてやらないとアイデアに潰されて死ぬよ、ってはなしです。

方針がぶれたり仕事を散らかしがちな経営者にも、「 まためんどくさいこと言い出した…… 」と聞く前から心を閉ざしがちなエンドスタッフ側にも言えること。

冷静に着々と、ひとつひとつ着実にこなして、良い成果を得られるようにしたいところです。