【Amazonセラーセントラル】返金後の販売手数料の返還と返金手数料 まとめ

2018年4月15日

注文キャンセルや返金により発生する手数料 まとめ

Amazonマーケットプレイス出店者のみなさん、知らず知らずのうちに損しているかも。

ECサイトを運営しているとどうしてもついてまわる面倒ごとの一つが商品出荷後の注文のキャンセルによる返金やクレームによる値引きです。

ご存じない方が多いのですが、実はAmazonマケプレの場合、返金を行うとAmazonに対し返金手数料が発生しますし、一部返金の場合は残った決済金額の販売手数料も返還されません。(返品の有無に関わらず)

今回はAmazonマケプレで返金に際してAmazonに対して発生する返金手数料と出店者への販売手数料返還についてまとめました。

Amazonマケプレによる返金のポイント

  • Amazonのシステム上、購入者へは全額もしくは一部返金も可能。
  • 購入者との合意の上であれば、送料や出店者独自のキャンセル手数料などを差し引いて返金しても構わない。
  • 購入者へ返金した分の販売手数料はAmazonより出店者へ返還される。
  • ただし、返還される販売手数料から返金手数料が差し引かれる。

ポイントとしてはこんなところ。以下詳しく解説します。

まずはザックリ復習

ちょっと但し書きをば。本記事でいう「 キャンセル 」「 キャンセル手数料 」とは注文ステータスがキャンセルになった状態ではなく、実質キャンセルの状態を指します。

Amazonマケプレにおいて商品出荷後に注文が「 キャンセル 」状態になることはありません。

商品を送る前であれば注文をキャンセルすることも可能ですが、商品を出荷通知したあとはキャンセルにする方法がありません。

ただし、購入者側から返品リクエストを出して商品を返品することも可能ですし、出店者側は全額もしくは一部返金することは可能です。

商品が出店者へ返送され、購入者に返金を行って「 実質キャンセル 」することはできますが、注文のステータスはキャンセルとすることはできません。

こうなると気になるのは「 注文のステータスをキャンセルにできないなら販売手数料はどうなる? 」かかと思います。

販売手数料は返還される。

Amazonセラーセントラルでは注文の出荷通知を送る=決済処理。その後販売手数料が計算され、差し引かれて出店者が登録している口座へ振り込まれます。

商品出荷後、返金により最終的な決済金額が変更になると、販売手数料も再計算されAmazonより返還されます。

(ただし商品到着より30日以内のみ。30日を過ぎてからは後述)

先述の通り注文ステータスはキャンセルにすることはできませんが、出店者がAmazonへ支払う販売手数料は決済された売上に対してかかるため、売上額が変動すればその分は返還してもらえる寸法です。

なので、商品返品の有無は関係ありません。商品が返品されて実質キャンセル状態でも、ただ一部返金などにより値引きした場合でも返金した分の販売手数料は返還されます。

ただし、Amazonより出店者へ返還される販売手数料のうち一部が、後述する返金手数料として差し引かれます。

特にこの返金手数料分を考えずに返金してしまい、損をしてしまう出店者が多いかと思われます。

到着より30日以内か30日を過ぎているかで扱いが違う。

商品到着後30日を過ぎてから「 出店者都合 」での返金した場合、その分の販売手数料は返還されません。

30日以内であれば返金があれば無条件でAmazonから出店者へ出品手数料の返還が行われます。返品の有無、どちら都合かも関係ありません。

まとめると

  • 商品到着より30日以内の返金であれば、返金額分の販売手数料は出店者へ返還される。
  • 30日を過ぎると、返金理由が「 購入者都合 」の場合のみ販売手数料が返還される。
  • 「 店舗都合(出品者都合) 」による返金の場合、30日を過ぎていると販売手数料は返還されない。

となります。

Amazonとしては購入者による返品リクエストも出店者による返金についても、商品到着後30日以内としています。

しかしながら購入者による返品リクエスト機能も出店者による返金機能も、出荷後30日を過ぎても使うことが可能。

極端な例でいえば、商品到着から1年が過ぎても注文者は返品リクエストを出せます。さすがにその状況で返品を受け付ける状況はあまりないかと思いますが、受けるにしても断るにしても対応は必要です。

なお、出店者も同じく1年過ぎても全額返金や一部返金による値引きが可能です。

返金手数料が発生する。

商品出荷後に出店者から返金が発生した場合、Amazonに対し、返金額に応じた返金手数料が発生します。

Amazonより出店者へ返還される販売手数料から一部を引く形です。出店者からお客様への返金に対する手数料というより、Amazonから出店者へ返金する販売手数料という位置づけのようです。

実際の返金手数料は、返還される販売手数料の10% もしくは 500円のうち安い方

ちょっとややこしいはなしになるので、下記を条件に例を挙げつつ解説します。

なお、本来販売手数料は商品ジャンルによって異なります。(家具なら15%、大型家電なら8%などなど)

が、例ではわかりやすいように10%で統一します。

全額返金した場合

  • 注文金額10,000を全額返金
  • 販売手数料:10%

10,000円の注文があり送った商品が返品され、お客様へ10,000円を返金するとしましょう。

この場合もともとはAmazonへ10%である1,000円が発生していましたが、売上が0になるので売上手数料は全額が返還対象となります。

ただし、実際に返還されるのは1,000円から10%にあたる返金手数料100円を差し引いた900円です。

一部返金した場合

  • 注文金額100,000の内70,000円を返金
  • 販売手数料:10%

100,000円の注文で送った商品にキズがあり、値引きとして70,000円を一部返金したとしましょう。

本来Amazonには10,000円(100,000円の10%)が販売手数料として発生していましたが、売上が30,000円に変わったため販売手数料は3,000円に。

差額の7,000円が返還対象となります。

そして、返還対象額である7,000の10%は700円。10%=700円よりも500円の方が安いので、返金手数料は500円に。

こうして、返還額の7,000差し引いた6,500円が返還されます。

注文商品数が複数の場合は注意。

なお、上記の「 10% or 500円の内安い方 」は注文商品数一点につき、です。

注文されたアイテムが二点なら返金手数料は500円×2で最大1,000円、三点なら最大1,500円となります。

出店者独自のルールとして、購入者へキャンセル手数料を請求可能

Amazonセラーセントラルのシステム上、返金は全額だけでなく一部金額のみの返金処理も可能です。必ずしも全額返金しなければいけないわけではありません。

この仕組みを利用してお店独自のキャンセル手数料を購入者へ負担してもらうことが可能です。(独自のキャンセル手数料を差し引いて返金する形式)

手数料は必ずしも返金手数料分しか請求できないなんてことはありません。送料無料とした商品の場合は送ったときの送料などの実費も差し引いて返金してもオッケーです。

(Amazonとしてはレビューやトラブル回避のためにも、送料・キャンセル手数料は請求せず全額返金することを推奨しています。が、規約違反にはなりません)

独自ルールとして商品代金の2%だとか300円とか、好きに設定して大丈夫です。ただし、やはり常識の範囲内でなければトラブルにもなりかねませんし、Amazonに怒られる可能性もありますので注意。

正当性を失うことのないよう、請求するのはあくまでも「 送料 」や常識の範囲に収まる「 手数料 」としましょう。

余談ですが、返金手数料は返還される販売手数料に対してかかります。また、一部返金の場合は実際の返金金額によっても返還される販売手数料と返金手数料が変わってしまいます。

  • お客様よりいただく返金手数料として残す金額の販売手数料
  • Amazon返金分の販売手数料から差し引く返金手数料

これらAmazonが出店者に対してさしひく手数料をピッタリ実費のみお客様へ負担していただく方向で考えると、かなり計算が面倒になります。

お客様にいくら負担しもらうかによっても出店者がAmazonに対して差し引かれる金額が変動するためです。

なので、「 お客様ご都合返品の場合は商品代金の5%を差し引いて返金 」など、ある程度ざっくりした計算にしてしまうのが良いでしょう。

そんな計算をいちいちやっていては、計算にかかった時間分の人件費も請求してやりたくなりますから。

マケプレPrime・FBAの返品リクエストの場合、強制的に返送されてくる

本来購入者から返品リクエストがあった場合は、先にキャンセル手数料など条件を話し合ってからリクエストを承認し、商品を返送してもらうことが可能です。

しかしFBA預け商品やマケプレプライム商品は返品リクエストがあるとAmazonより購入者へ商品を返送するよう案内され、すぐ商品が返送されます。出店者側からすれば半強制的に返送されてくるような形。

その後返金額をどうするかなどは通常のマケプレ同様、出店者側の判断です。全額返金だけでなくキャンセル手数料を差し引いて返金も大丈夫。

もちろん購入者の同意があってのことなので、手数料などを差し引くのはお客様ご都合での返品の場合のみです。

(FBA=フルフィルメント by Amazon。Amazonに商品を預けておき、出荷など作業を代行してもらうサービス。 / マケプレプライム=当日出荷など、Amazon Prime並のクオリティで出せる場合、マーケットプレイス出荷商品でもPrimeマークをつけることができる)

まとめ:注文キャンセルや返金により発生する手数料

  • 返金があった場合、商品到着から30日以内であればAmazonから販売手数料が返還される。
  • ただし、返還される販売手数料の10% or 500円のうち安い金額を返金手数料として差し引いての返還となる。
  • 商品到着から30日を過ぎてからの返金の場合、返金理由が「 購入者都合 」でないと返金した分の販売手数料は返還されない。
  • 購入者への返金の際、同意があれば出店者独自ルールによるキャンセル手数料を差し引いて返金することは可能。

商品にもよりますが、今の時代お客様に好かれるためにも、購入後キャンセルもサービスのひとつとなっています。

本来ネット通販、ECサイトで購入した商品にはクーリングオフは効きません。しかし現実としてキャンセルは全く受け付けないなんて乱暴なこともできず、頭を悩ませますよね。

特にAmazonはお客様からのキャンセルにかなり寛容ですし、マーケットプレイスに出店している限りはある程度は仕方ありません。

ただし、Amazonマーケットプレイスに出店しているセラーのみなさんはぜひ気を付けたいところ。